フィンテック・金融

AIスコアが可能にする、個人にマッチングした社会を育てる融資

従来の与信とは一線を画した、個人を応援するAIレンディングサービス

2016年9月15日にみずほ銀行とソフトバンクは、FinTechを活用したレンディングサービスを提供するために、合弁会社を設立しました。

会社名はJ.Score。

恐らく、みなさんも一度は目にしたことがあるでしょう。

ただ、一体この会社がどのような技術を使って、どんなことをしようとしていているか。
それを正確に理解されている方は非常に少ないのではないかと思います。

金融業に携わるものとして、これは非常にワクワクする話です。(他社だけど)
ただ、J.scoreやスコアリングについて、記載されている記事はたくさんあります。

その中で、なぜ今記事にしようかと思ったかというと、以下3点の理由となります。

・FinTechの与信活用という、ビッグデータの有効活用で個々にマッチした与信を実現できる点
・表面的でなく、顧客を育てる融資という、従来の貸金業者のビジネスモデルと一線を画す内容である点
・上記2点はかなり画期的であり、是非自分の視点で分析・伝えたかった点

あくまでも、誤解のないようにしておくと、従来が悪いのではなくFinTechが本来やりたかったことをできるようにした、という言い方が正しいと思います。

J.scoreの与信モデルと従来の貸金業者の与信モデル

まず、1点目にあげたビッグデータを与信に活用するという点について、従来のサービスと比較しながら考えていきましょう。

従来の与信モデルとの比較は以下【図1】の通りです。

【図1】従来の貸金業者の与信材料とJ.scoreの与信材料

ご覧のとおり、従来は会員申込時の申告内容(属性)や他社借入状況等に、自社で蓄積した属性や利用状況等に応じたリスク度合いを総合的に判断する方法です。

これに対し、ビッグデータとして保有する、より細やかな顧客の属性・消費・返済の傾向による精緻化
さらに日頃の行動・習慣・思考やヘルスケア情報等も含め、AIでその顧客に対してどれだけのリスクを取り得るかを、詳細に分析し与信することが可能でしょう。

個人を伸ばす融資と企業の利益のための融資の違い

従来は、ある程度ひとくくりで、パターンにあてはめた判断でした。

ひとくくりで、定められた利率で貸し出しを行った場合に、返済継続が可能で一定の利息収入が見込める層。
返済継続に100%の保証はないが、利用自体は見込めるためデフォルト(延滞)しても、トータルでみれば利息収入の方が大きい先。
これらのバランスをとった貸出を行うことが、従来のビジネスモデルだと思います。

それはどちらかというと、個々に寄り添った応援をするという行為というよりは、ビジネスとして割り切られたモデルという印象です。【図2】

【図2】現状のビジネスモデル

投資をする時を考えれば、運用利回りが4%や5%ってかなり利回りがいい投資ですよね。
貸出利息は一般的には14%~15%でしょう。
銀行カードローンで低利率を謳っている商品もありますが、百万円超レベルでの借入でない限りそこまでのリスクはとらないでしょう。

しかし、この判断により恐らくは個人事業主だけれども、資質としてはサラリーマンより上で、リスクテイクは可能。
というように、個々に応じた利率の設定、またAIは当然将来についても分析が可能でしょうから、今はまだこれくらいの年収だけど、この人は将来的にこれくらいは年収がいくだろう。

そうなると、その人の自己実現のために資金を投じる。いわば、個人が株式を通じて企業に投資するように、企業として個人の成長性を見越して投資を行うというビジネスモデルを目指していると私は考えています。【図3】

【図3】ビッグデータ・AIを活用したビジネスモデル

これは、これからの日本を考えた時に、やる気と資質のある人に必要な時に適切な与信のもとに、無理のない利息で借入が可能という社会インフラとして必要な機能を担うでしょう。

J.scoreを試してみた結果

私は気になると何でも試してみたくなってしまうタイプです。

一体、AIは何を情報として取得し、どのようにスコアリングをするのか、気になってしまったので早速登録してトライしてみました。

まずはJ.scoreにメールアドレスとパスワード登録を行います。

初めは氏名ではなくニックネームで始まります。(個人は特定しないと説明あり)
その後、生年月日等の入力からはじまり、最終学歴や職業に関する情報(但し勤務先名ではなく勤務形態や金属年数)。
家族構成等や配偶者・子供のこれからの想定イベント等を聞かれたりします。

第一段階では、以下結果でした。

この後、生活・性格・ファイナンス・ウォレット・プロフィール(追加)のジャンルで質問があり、答えていく事でスコアが上がったり下がったりします。

最後に、Yahoo!JAPAN・ソフトバンクorワイモバイル・みずほ銀行との連携項目もあり、それぞれ連携をするとスコアが上がるようです。
(各社の利用データ等も加味した与信になるということでしょう)

最終的に飯田のスコアはこうなりました。

この利率はかなり低利率ですよね。(通常はこの3倍近く)
当面は必要ありませんが、近い将来子供の教育費等で利用することもあるかなと思いました。

また、育てるという部分に本気度を感じたのは以下のページです。

試しに学習習慣を見てみると、、、

実は様々なジャンルの本の要約版が用意されていて、5分程度で一冊の内容が把握できるようになっています。

上の方には、私が人口知能に興味を持った際に読んだ名著、『人口知能は人間を超えられるか 松尾豊著』があったので、復習がてら目を通しました。

お金の習慣も1日の使ったお金を自己投資なのか、それ以外なのかを単純に振り分けるような仕組みとなっています。

まとめ

J.scoreのまとめ

・これはかなり革新的な金融サービスである
・金融業界の一番の課題である真の顧客本位を実現できるかもしれない
・ワクワクしてしまう